2,500万年前の人類の祖先は、ビタミンCの合成能力があったと考えられていますが、現代の人間は体内でビタミンCをつくることはできません。その当時の人類が体内で合成していたビタミンCの量を割り出してみると、なんと1日に約2g~6gにも及ぶのですが、現代の文明社会の中で、私たちが食物から摂取しているビタミンCの量は約100mgです。
ビタミンCは大量に摂取しても、尿として流出するからムダだといわれてきましたが、一部は流出しても、一部は血液や組織のビタミンC濃度を高めます。この高い濃度がさまざまな働きをすることがわかっています。
例えば、タバコ1本によるビタミンCの消費量は25mg、20本入りで500mgも消費します。レモンで補給しようとしたら、レモン20個分です。
ビタミンCは食事でも補うことができますが、小腸で吸収できる量にも限りがあります。ゆっくり時間をかけて点滴静脈注射することによって経口摂取では到達できない濃度にまで血中ビタミンC濃度を高めることができます。
●ビタミンCは白血球に多く含まれる。
●感染症を患うと消費量が増大し、血中濃度が低下しやすい。
〇体調を崩しやすい方
〇風邪や感染症を早く治したい方
●疲労感、うつなどの精神症状、アレルギー、関節リウマチなど、酸化ストレスや慢性炎症に関与する様々な病態・疾患の改善に、高用量ビタミンC点滴が応用されている。
〇疲れやすいと感じる方
〇不安感や強いストレスを感じる方
〇湿疹やアトピー性皮膚炎、花粉症にお悩みの方
〇関節リウマチなどの炎症性疾患を患っている方
〇喫煙をされる方
●肌の老化の主な原因である紫外線ストレスを軽減する。
●シミの原因となる黒色メラニンの合成を阻害するため、肌のくすみやシミの予防・改善に役立つ
●タンパク質や鉄と共にコラーゲンの合成を助けるため、肌の弾力の維持に不可欠
〇肌のくすみやシミ・シワが気になる方
〇強い紫外線ストレスに曝されている方
●がん患者は健常者に比べて血清ビタミンC濃度が低く、高用量ビタミンC点滴はがん化学療法の有効性を高める。
●血清ビタミンC濃度を一定以上に高めるとがん細胞にのみ選択的にっ作用する。
●コラーゲンバリアを形成しがんの転移を防ぐ。
●がん患者の生活の質(QOL)の向上に役立つ。
〇がんの補助療法として
※高用量ビタミンC点滴は従来の治療法の代替療法ではありません。病態によっては従来の治療法と並行して行う必要があります。
●高用量ビタミンC点滴は保険適用外の自費診療のため、以下の点滴や検査は全額自己負担になります。
投与量 | 25g | 50g | 75g | 100g |
目安時間 | 60分 | 100分 | 150分 | 200分 |
料金 | 14,500円 | 20,000円 | 25,000円 | 31,000円 |
●初回点滴前検査(G6PD検査)
G6PD酵素の働きが弱い方は高用量ビタミンC点滴により溶血が生じる可能性があります。
安全のために酵素欠損の有無を調べるために必ず初回に血液検査を行います。
※G6PD:グルコース6リン酸脱水素酵素
※溶血:血管内で赤血球が壊れる現象のこと
●血清ビタミンC濃度
がんの補助療法として高用量ビタミンC点滴を受ける方は、血清ビタミンC濃度の測定をお勧めしております。
G6PD検査 | 7,700円 |
血清ビタミンC濃度 | 5,000円 |
●心不全また腎不全の方(心臓や腎臓に負担がかかるため)
●G6PD酵素欠損のある方(高用量ビタミンC点滴により溶血が生じる可能性があり、初回点滴前に必ず検査を実施します。)
●ビタミンC、マグネシウムにアレルギーのある方
●妊娠中の方
●18歳未満の方
重篤な副作用の報告はありませんが、以下の副作用が生じる場合があります。状況により医師の判断で点滴を中断する可能性があります。
●点滴部位の痛みや血管痛
●利尿作用によるのどの渇き
●下痢、嘔吐
●末梢(手足)の冷感やむくみ、紫斑
●低カルシウム血症による筋肉の痙攣やしびれ感
●低血糖による頭痛、めまい、動悸、倦怠感などの症状
●きわめて稀に腫瘍細胞の壊死による出血・発熱
●高用量ビタミンC点滴後に簡易血糖測定器を用いて血糖測定を行うと異常高値を示す場合があります。これは簡易血糖測定器がビタミンCとグルコースを識別できないことが原因であり、正しい血糖値が反映されておりません。血糖値が高いと誤解し、インスリンを注射し低血糖症状を引き起こす例が報告されているためご注意ください。
●簡易血糖測定器による血糖測定は点滴終了から8時間以上あけて行ってください。